日本語で「暮らし」という言葉を使うときは、単なる物質的な側面だけでなく、心の満足や生活の質、幸福感なども含めて、広い意味での日常のあり方を表現することが多いですね。人生も、「暮らし」に関連される言葉になるようです。
池波正太郎(1923-1990)
東京・浅草生れ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。1960(昭和35)年、「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズをはじめとする膨大な作品群が絶大な人気を博しているなか、急性白血病で永眠。
※当ブログは、Amazonアソシエイトとして適格販売により収入を得ています。また、第三者配信の広告サービスを利用しています。
池波正太郎氏の小説をはじめて手に取ってみたのは、12年ほど前に遡ります。
小説家の池波正太郎氏を知ったのは、ある友人が時代小説「剣客商売」を話題にして私に読むことを勧めたからです。
当時、面白いか、面白くないか、評価が定まらい時代小説を読むことに私は少し億劫になった記憶があります。
時代小説「剣客商売」はシリーズもので、どの巻を読んでも面白く私を飽きさせることはありませんでした。
それからというものの、読めば読むほど池波正太郎氏が描く物語に嵌ってしまい、いまでは中毒になっているようです。それまで現代小説しか目を通していない私にとって不思議な体験でした。
先日読んだ「さむらい劇場」も池波正太郎氏の作品で、物語の世界にどっぷり浸ってしまいました。途中から既読していたことに気づきましたが、そんなことはお構いなく何度でも通読できる小説です。
池波正太郎氏の小説は何度読んでも飽きることのないものばかりで、腹立たしいほど素晴らしい作品ばかりですね。
2020年は著者没後30年。
再び味わいたい、池波正太郎の世界。
旗本の三男に生れながら、妾腹の子ゆえに父親にも疎まれて育った榎平八郎。
意地と度胸で一人前に成長していく、その姿。
酒と女に溺れ家中の鼻つまみものである榎平八郎は二十一歳。七百石の旗本の三男に生れながら妾腹の子ゆえ家来にまで蔑まれている。ある夜、女を抱いた帰途、何者かに襲われる。やがて、それは彼を疎む父親の命であることが判明する。
徳川吉宗が将軍位について二十余年、いきいきとした時代を背景に、青年ざむらいが意地と度胸で、己れの道を切りひらいていく姿を描く長編時代小説。