短編小説×アート「ねむり」(新潮社刊)村上春樹:著・読後感

読書日記
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「暮らし」という言葉は、日常生活や日々の営みを指す言葉です。具体的には、住む場所や食事、仕事、家族との時間など、人が日々の生活を送るために行うすべてのことを含みます。

日本語で「暮らし」という言葉を使うときは、単なる物質的な側面だけでなく、心の満足や生活の質、幸福感なども含めて、広い意味での日常のあり方を表現することが多いですね。人生も、「暮らし」に関連される言葉になるようです。

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村上春樹:著「ねむり」の短編小説を初めて読んだのは数年前でした。

眠りを失くした主婦がこの短編小説の主人公で、『ねむり』について心境を独白している物語です。これと言って起伏のある物語ではありませんが、文章そのものに味わいがあります。あるいは語り口調に、読者を酔わせる魔力がある、といえばよいのでしょうか。

本文とあとがきを合わせて93ページの短編小説。分厚い表紙と本文ページに著名なイラストレーターの挿絵が随所にあり、小品ながら珠玉の短編小説の本になっています。しかし高価な本であることは事実で、古本屋さんなどに売り払う本ではありません。読者が生涯に亘って大切に持ち続けることを前提とした、記念すべき豪華本です。

イラストを担当しているカット・メンシック氏は、1968年、東ドイツ・ルッケンヴァルデ生まれのイラストレーター。
ベルリン芸術大学、パリ国立美術大学で学び、雑誌「A.O.C.」を創刊。以後「フランクフルター・アルゲマイネ」日曜版などにイラストを寄稿しながら書籍などの挿画をてがける。
2007年、トロースドルフ絵本賞受賞、2014年、『黄金の三本鍬』が「最も美しいドイツの本の一冊」に選ばれる。

出典: ムラカミの重層を描くということ

カット・メンシック氏は「ねむり」短編小説について、エッセイで興味深いことを語っています。

「ムラカミの重層を描くということ」
ある主婦が突然眠れなくなり、1週間、2週間と一睡もできない状態が続くのですが、彼女は疲労困憊するどころか昼間は泳いで夜は読書に没頭し、以前よりも若々しく充実した自分を見出すというお話です。

出典: ムラカミの重層を描くということ

切なくなるような、ロマンスが滲んでいる感覚を呼び覚ますような物語。そんな恋愛小説のかたちを描いてゆきたいと考えています。応援していただければ幸いです。よろしくお願い致します。

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