向かい合っても届かない ―『テーブルの向こう側で』あとがき風解説 

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「暮らし」という言葉は、日常生活や日々の営みを指す言葉です。具体的には、住む場所や食事、仕事、家族との時間など、人が日々の生活を送るために行うすべてのことを含みます。
日本語で「暮らし」という言葉を使うときは、単なる物質的な側面だけでなく、心の満足や生活の質、幸福感なども含めて、広い意味での日常のあり方を表現することが多いですね。人生も、「暮らし」に関連される言葉になるようです。

💞 恋愛が「暮らし」に含まれる理由
恋愛は単なる「特別なイベント」ではなく、日々の会話、食事の約束、通勤中に考えること、休日の過ごし方など、日常そのものに溶け込む関係です。こうした行動はすべて「暮らしの一部」として続いていくものです。

「住まい」という言葉を使う際には、居住している場所そのものに対する思いや、そこに住むことで得られる安心感や快適さといった感情も含まれることが多いです。
たとえば、「心地よい住まい」や「住まいを整える」といった表現は、単に建物だけでなく、その場所での暮らしや快適さを大切にする意味合いが込められています。

古い賃貸住宅に住むことには多くの魅力と課題がありますが、それを楽しみながら快適に生活する方法もたくさんあります。

本作は、暮らしと住まいの風景の中で生まれる
大人の恋を描いた三編の連作短編集です。
「ポジャギ越しの午後」
「ルカの見ていた風景」
「テーブルの向こう側で」

各編約10,000字。
一話ずつでも楽しめる構成で、
静かな恋愛小説を求める大人の読者へ向けた一冊です。

※この物語は、短編集『連作短編・ロマンス小説: vol.1』に収録されています。
ほかの二編もあわせて読みたい方は、こちらからどうぞ。
Amazon.co.jp: 連作短編・ロマンス小説: vol.1 電子書籍: 幸田 玲: Kindleストア
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『テーブルの向こう側で』あとがき風・解説文

この物語で描きたかったのは、「向かい合っているのに、完全には分かり合えない二人」の距離です。
同じテーブルを挟んで会話をしていても、人はそれぞれ、別々の過去や不安、期待を胸の内に抱えています。
視線が交わるほど近くにいるのに、心の奥には踏み込めない境界線がある――そのもどかしさを、できるだけ静かな筆致で描こうとしました。

テーブルという家具は、人と人を“つなぐ場所”であると同時に、“隔てる境界”でもあります。
食事をする場所、会話をする場所、向かい合って座る場所。
けれど、テーブルの上には、それぞれが持ち込んだ感情や過去が見えないまま置かれている。
「テーブルの向こう側」という言葉には、相手の内面の向こう側、つまり“見えているようで見えない領域”という意味も込めました。

この短編では、劇的な展開は意図的に避けています。
代わりに、間の取り方や沈黙、視線の交わし方といった、言葉にならない部分を丁寧に積み重ねています。
人と人との距離は、告白や事件だけで縮まるものではなく、むしろ「何も起こらない時間」の中で、少しずつ変化していくものだと思うからです。

また、この作品には「期待しすぎない優しさ」も忍ばせています。
相手に過剰な役割を求めないこと。
自分の寂しさを、すべて相手に埋めてもらおうとしないこと。
そうした距離の取り方は、ときに淡泊に見えるかもしれませんが、長く続く関係には案外必要な感覚なのではないでしょうか。

読み終えたあと、
「この二人は、この先どうなるのだろう」
と、少しだけ想像の余地が残るようにしています。
答えを決めないことで、読者それぞれの経験や感情が、この物語の“続き”になる。
テーブルの向こう側にいる誰かを思い出しながら、静かに余韻を楽しんでもらえたら嬉しいです。

※この物語は、短編集『連作短編・ロマンス小説: vol.1』に収録されています。
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この七里ヶ浜のヴィンテージマンションに越してきてから、もう一年になる。 築二十五年を超える建物だが、リノベーションされた室内は、直人が求めていた「呼吸できる場所」そのものだった。壁は漆喰(しっくい)で塗り直され、床には幅広のチーク無垢材(むくざい)が敷き詰められている。素足で歩くと、木の温かみと、わずかにざらりとした心地よい感触が伝わってくる。

《イメージ写真》本文引用

江ノ電の線路沿い、古民家をリノベーションしたその小さなヴィンテージ家具店は、周囲の風景に溶け込むようにひっそりと佇んでいた。黒く塗られた板壁と、大きなガラス窓。その窓越しに見える店内の温かい灯りに惹かれ、直人は吸い込まれるように扉を押した。

《イメージ写真》本文引用

古民家をリノベーションしたその小さなヴィンテージ家具店。 店内は、北欧のキャビネット、イギリスのウィンザーチェア、日本の古い水屋(みずや)箪笥(たんす)。国も時代も異なる家具たちが、不思議な調和を保って並べられている。どれもが誰かの生活の中で使い込まれ、傷やしみを帯びながらも、凛とした存在感を放っていた。

《イメージ写真》本文引用

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「暮らしと住まい」とは、暮らしに関連する事柄。例えば、人生・生活についての事柄も関連しますので、ふれてゆきたいと思います。また、「住まい」についても同じようなことが言えると思います。

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