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朝の光が差し込むワンルーム。
窓辺で揺れるサンキャッチャーが、七色の光を壁に散らす。
その揺れは、ふたりの不安と迷いを映すようだった。

リノベーションされた賃貸物件で一人暮らしをする、二十七歳のさやか。
街の古道具屋を営む三十一歳の直人と出会い、
彼女の日常に、少しずつ恋が入り込んでくる。

互いに惹かれながらも、簡単には踏み出せない。
仕事のこと、生活のこと、将来のこと。
大人になったからこそ、決断には迷いが伴う。

同棲という選択を前に、
ふたりは「本当に今でいいのか」を何度も問い直す。
不安は消えない。
それでも、ひとりに戻るより、隣にいる未来を選びたい――
そんな想いが、静かに重なっていく。

本作は、住まいと暮らしの風景を通して、
揺れる恋心と、未来を共にする覚悟を描いたロマンス小説です。

光は揺れ続ける。
感情もまた、揺れ続ける。
それでもふたりは、不安を分け合いながら、同じ部屋で生きていくことを選んだ。

全体で約35,000字。
派手な展開ではなく、
現実に足をつけた恋の行方を丁寧に描いた、
大人のための恋愛小説です。